この作品は、以前制作した映像作品“Screened Scenery”から展開したものである。それまで自分が撮りためた写真の中から、建造物の鏡面状の外壁に風景が映り込んでいる写真がいくつかある事を発見した。このような映り込みは普段私たちが「虚像」と呼ぶものであろう。それならば私はその虚像の元の風景、すなわち「実像」を描いていく他ない。

自分の足下と地続きに繋がっていたはずの実の風景だが描いてみると想像以上に難しい。私は実像とやらを確かめることの難しさを知る事になる。